平成11年度 厚生科学研究費補助(生活安全総合事業)

分担研究報告書

尿道下裂のリスク要因に関する文献および疫学研究

分担研究者  小柳 知彦 (北海道大学医学部外科治療学講座腎泌尿器外科学分野教授)
研究協力者  佐田 文宏、笠井 世津子、羽二生 知美 (公衆衛生学)
野々村 克也、柿崎 秀宏、村雲 雅志 (腎泌尿器外科学)

研究要旨

  これまでに報告されている尿道下裂の出生時有病率は0.5-47/(1万男児出生)と幅があり、1970-1980年代には、各国からその増加が相次いで報告された。その病因として個体要因の他に両親の内分泌かく乱物質暴露などの環境要因に関する疫学研究が多く行われてきており、内分泌かく乱物質との関連が示唆されている。
  日本においても、尿道下裂の増加が報告されているが、その病因に関する疫学研究がほとんど行われていない。
  そこで、内分泌かく乱物質暴露と尿道下裂の因果関係を明らかにするために疫学調査を計画した。そのために、先行研究の検索を行い、それに基づき、患者本人および両親の内分泌かく乱物質の暴露状況を主たる標的とした調査票を作成した。質問紙調査と実際に患者および両親の生体試料中のこのような化学物質を定量することにより環境要因の評価を行い、同時に代謝に関与する酵素などの遺伝子多型の解析から個体要因の評価を併せて行い、内分泌かく乱物質暴露と尿道下裂の因果関係を明らかにしたい。
  また、これとあわせて、北海道における尿道下裂重症度分類別有病率を推定し、今後の研究の材料として供する。

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