研究要旨

牛生体内の天然ホルモン(エストラジオール-17β、プロゲステロン、テストステロン)濃度の変動は品種、雌雄、部位、年齢、性周期など多くの要因が推定される。一方、これらのホルモンは内分泌かく乱作用との関連で近年問題となってきた。ここでは牛の天然ホルモンについて文献調査を実施し、ホルモン濃度の生理的変動範囲を知るとともに、我が国で消費されている食肉のホルモン濃度を測定し、その変動要因の解析を試みた。なお、本年2月に開催されたJECFA(FAO爪HO)合同食品添加物専門家会議でこれら天然ホルモンについてADI(一日摂取許容量)が提案されており、この値と今回測定した値を用いた摂取量を比較しても問題になるレベルではなかった。