平成10年度厚生科学研究費補助金(生活安全総合研究事業)

分担研究報告書

課題名「内分泌かく乱物質の食品、食器からの暴露に関する調査研究」

テーマ:「畜水産食品中の内分泌撹乱作用物質残留実態調査」


分担研究者 宮崎奉之 東京都立衛生研究所 乳肉衛生研究科長


研究要旨

牛生体内の天然ホルモン(エストラジオール-17β、プロゲステロン、テストステロン)濃度は様様な要因により変動する。そのため牛から生産される食肉中のホルモン濃度も連動して変動していると考えられる。その変動要因としてホルモン剤の使用の有無、品種、雌雄、部位、年齢、性周期など多くの因子が考えられる。ここではホルモン変動の正常範囲について文献を調査するとともに、わが国で消費している国内産および輸入牛肉のホルモン量を測定し、その変動要因を解析した。なお、本年2月に開催されたJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)において、これら天然ホルモンについてADI(一日摂取許容量)が提案されており、これらの値と牛肉の摂取量から安全性について推定を試みた。その結果、国産及び輸入の牛肉中ホルモン濃度は清浄な生理的範囲にあり、通常の摂取量であれば内分泌攪乱作用を含め、食品としての安全性上、特に問題となるレベルではなかった。

 

戻る

内分泌かく乱物質ホームページに戻る
平成10年度 厚生科学研究報告書一覧のページにもどる