平成10年度厚生科学研究費補助金(生活安全総合研究事業)

分担研究報告書

ヒト母乳及び血清中の有機塩素系化合物の分析法開発と生体試料の分析

分担研究者  織田 肇 (大阪府立公衆衛生研究所副所長)
協力研究者  堀 伸二郎、北川 幹也 (大阪府立公衆衛生研究所)

研究要旨

  1973年から1996年の府下在住の授乳婦(25〜29歳の初産者のみ:各年19〜33名)より採取した母乳中の有機塩素系化合物およびダイオキシン類の残留実態を明らかにした。また、血清中の有機塩素系化合物び高感度迅速分析法を確立し、本方法を用いて成人ヒト血清中の有機塩素系化合物の汚染濃度を明らかにした。
  1996年の母乳脂肪中ダイオキシン類およびコプラナPCB濃度は、1975年のダイオキシン類およびコプラナPCB濃度に対して、46%および28%に減少した。
  1996年の母乳脂肪中ダイオキシン類(16.3pg-TEQ/g)およびコプラナPCB(7.8pg-TEQ/g)濃度は、1975年のダイオキシン類(30.2pg-TEQ/g)およびコプラナPCB(28.0pg-TEQ/g)濃度に対して、46%および28%に減少した。
  成人血清34検体のうち、全検体よりPCB類、HCB、p,p'-DDEを検出し、また25検体からβ-HCHを検出した。総PCBは4.63〜20.78ppb(平均:11.92ppb)、HCB濃度は0.07ppb〜0.62ppb(平均:0.228ppb)、p,p'-DDE濃度は0.4ppb〜14.9ppb(平均:3.68ppb)であった。β-HCH濃度はND〜8.1ppb(検出限界:0.1ppb  検出したものの平均:1.76ppb)であった。

 

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