平成10年度厚生科学研究費補助金(生活安全総合研究事業)

分担研究報告書

血清及び缶飲料中のビスフェノールAの分析

分担研究者  牧野 恒久 (東海大学医学部教授)
協力研究者  小林 進 (埼玉県衛生研究所長)

研究要旨

  分離分析法として優れている高速液体クロマトグラフ−質量分析計(LC/MS)を用いた血清及び缶飲料中のビスフェノールA(BPA)の分析法を検討した。インターフェースにはエレクトロスプレーイオン化(ESI)法を採用し、イオン化モードはネガティブモードとした。検出にはBPAの擬分子イオン[M-H]m/z 227を用いた。試料の前処理は固相抽出法を採用し、カートリッジにはマルチモードタイプのISOLUTE Multimode を用いた。本法における血清及び缶飲料に対する添加回収率は5あるいは10ng/mlの添加で概ね80%以上、検出限界は血清で0.1ng/mlであった。本法を用いて血清中のBPA濃度を調べた結果、BPAは検出限界以下であった。一方、缶飲料では、加熱・減菌処理されるコーヒーや紅茶缶からBPAが200ng/ml以上検出されるものも見られた。

 

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