平成10年度 厚生科学研究費補助金(生活安全総合研究事業)

分担研究報告書

有機スズ化合物のリスク評価における不確実性の解析に関する研究

分担研究者 吉田 喜久雄 ((株)三菱化学安全科学研究所 技術グループ)
研究協力者 枡田 基司  (           同上              )

 

研究要旨

 日本人が多量に摂取する魚介類を汚染しており、巻き貝に内分泌撹乱的影響を示す有機スズの摂取量と一日許容摂取量(ADI)との比率(HQ)を検討した結果、東京湾、大阪湾及び瀬戸内海で取れる魚介類を常食する集団の場合、トリブチルスズ(TBT)についてはHQが1を超える確立はそれぞれ、33%、64%及び26%であると推定された。魚介類常食者に対するHQの50パーセンタイル値は、大阪湾のTBTの場合を除き、1より低くマーケットバスケット方式で実施されている曝露調査結果に基づくHQ値(TBT:0.28,トリフェニルスズ=TPT:0.11)と大きく異ならなかった。しかしその変動範囲は広く、HQの95パーセンタイル値はTBTで3以上、TPTで2以上であり、常食集団内に高いリスクを被る個人が存在するが示唆された。

 

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