平成10年度厚生科学研究費補助金(生活安全総合研究事業)

分担研究報告書

日本人による植物エストロゲン物質摂取における
定量的なリスクとベネフィットの解析と不確実性分析

分担研究者 関澤 純 (国立医薬品食品衛生研究所・化学物質情報部)
研究協力者 大屋 幸江 (国立医薬品食品衛生研究所・化学物質情報部)

 

研究要旨

 さまざまの植物ホルモン物質の活性レベルと日本人の摂取量から考え、もっとも影響を及ぼす可能性が高い大豆中のエストロゲン物質を中心に検討した。欧米人での疫学的、臨床的知見と、日本人の摂取量、体内濃度から、日本人の曝露レベルは、健康にべネフィシャルな影響を与えている可能性が大きいと推定された。これらの物質は、エストロゲン作用のほかに、抗酸化作用などの作用も有するため、影響の内容をより多角的に検討すべきこと、またエストロゲン活性の高い代謝物を生成する能力は日本人の中でも個人差が大きく、日本人での臨床、疫学的知見の収集と確認が必要なこと、経胎盤曝露による影響データが限られており、この方面の研究データが必要なこと、また自己免疫疾患との関連を示唆する報告もあり、より多角的な検討の必要が指摘された。

 

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