平成10年度 厚生科学研究費補助金(生活安全総合研究事業)

分担研究報告書

メトキシクロールとビスフェノールAの実験動物に対する
低用量暴露における毒性発現に関する不確実性についての研究

分担研究者 三森 国敏 (国立医薬品食品衛生研究所・病理部)

 

研究要旨

 ディエチルスチルベストロール(DES)、メトキシクロールとビスフェノールAの実験動物に対する低用量暴露における次世代への毒性発現に関する不確実性について情報収集した。その結果、DESの経胎盤投与による次世代マウスへの影響については、100μg/kg投与で次世代に悪影響を及ぼすが、それより下の用量では発現しないことから、DESのような強いエストロゲン作用を有する物質においても閾値の存在が示唆された。methoxychlorの経胎盤投与による次世代ラットへの影響については、投与群すべての次世代動物に生殖器に毒性が発現しており、最低用量の25mg/kgより下のどの用量まで次世代への影響が発現するかについてはデータがなく、この毒性についてのNOAELは明らかにされていない。Bisphenol Aの経胎盤投与による次世代マウスへの影響については、vom Saalらの実験において次世代への影響が非常に低い投与量においても発現すると報告されたが、それについては再発現がないことが確認された。

 

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