平成10年度厚生科学研究費補助金(生活安全総合研究事業)

分担報告書

超高速選抜法の検証の評価に関する調査研究

分担研究者 井上 達 (国立医薬品食品衛生研究所・毒性部・部長)

 

研究要旨

 現代生活において膨大な種類の化学物質が利用されており、これらの化学物質が内分泌かく乱作用を有するかどうかを早急に調査する事も内分泌かく乱問題の緊急課題の一つである。このため、本研究では米国が提案している化学物質の内分泌かく乱作用の有無を評価するヒト由来培養細胞系を用いた方法の有用性を独自の立場から検討するとともに、必要な改良を行った。米国プロジェクトではヒト乳癌細胞由来細胞株の内、エストロジェン受容体など、目的とする受容体を定常的に発現している細胞株を用いる事が試みられたのに対し、本研究班ではNEDOとの共同研究として、住友化学において、受容体発現が殆ど無いHela細胞に受容体分子を強制発現させた上でホルモン応答性を持たせた培養細胞株を開発した。それをもとに(財)化学品検査協会にHigh Throughput Screening (HTPS) Robotの設置を行い、その始業を成し遂げた。さらに、約60化学物質を米国EPAの内分泌かく乱化学物質リストからモデル物質として選択し、代謝系(肝S9ミックス)の有無を含め、延べ約350測定以上を行い、その結果の解析を行った。

 

戻る

内分泌かく乱物質ホームページに戻る
平成10年度 厚生科学研究報告書一覧のページにもどる