平成10年度 厚生科学研究費補助(生活安全総合事業)

分担研究報告書

ビスフェノールA、ゲニステイン等の生殖、免疫機能への影響及び代謝に関する研究

分担研究者  別府 正敏 (東京薬科大学 教授)

研究要旨

  ビスフェノールA、ゲニステインについての、@ラットの生殖関連行動、生殖機能に対する影響を皮下投与により調べたところ、明瞭な影響は認められなかった。A鶏胚の孵化及び鶏胚の骨形成、軟骨細胞の活性に対する影響を胚への直接注入により調べたところ、明瞭な影響は認められなかった。Bラット脳海馬の器官培養標本を両化合物存在下培養すると、グニステインは組織をやや増殖させ、また、わずかなながらシナプス活動を促進させる効果を示した。Cヒト単球系培養細胞U937及びヒトTリンパ球系培養細胞Jurkatへの影響をin vitroで調べたところ、両化合物とも両細胞のアポトーシスを増強する作用を示した。Dヒトスルホトランスフェラーゼによる硫酸抱合代謝の可能性を組換え体ヒト酵素を用いて検討したところ、両化合物とも容易に硫酸抱合を受けることが明らかとなった。Eヒトグルタチオントランスフェラーゼによる代謝分解の可能性を組換え体π型ヒト酵素を用いて検討したところ、両化合物とも本酵素によって代謝される可能性は低いことがわかった。

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