アイルランド食品安全局(FSAI)からのカンピロバクター関連情報
https://www.fsai.ie/


欧州食品安全機関(EFSA)が「欧州連合(EU)域内の人獣共通感染症に関するOne Healthの観点からの2020年次報告書」を発表
EU Annual One Health Zoonosis Report Published
9 December 2021
https://www.fsai.ie/news_centre/EU_one_health_2020_zoonoses_09112021.html
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6971(報告書リンク)
https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.2903/j.efsa.2021.6971(報告書PDF)

(食品安全情報2022年7号(2022/03/30)収載)


 欧州食品安全機関(EFSA)は、欧州連合(EU)域内の人獣共通感染症に関するOne Healthの観点からの2020年次報告書「European Union One Health 2020 Zoonoses Report」を発表した。この報告書によると、2020年は、ヒトの人獣共通感染症および食品由来アウトブレイクの報告数が減少した。主な結果は以下の通りである。

  • 2020年にEU域内で最も多く報告された人獣共通感染症はカンピロバクター症で、報告患者数は120,946人(2019年は220,000人以上)であった。次に多く報告されたのはサルモネラ症で、患者数は52,702人(2019年は約88,000人)であった。食品由来アウトブレイクの報告件数も2019年より47%減少した。

  • アイルランドで2020年に報告されたカンピロバクター症の患者数は2,419人(2019年は2,776人)、サルモネラ症の患者数は214人(2019年は347人)であった。

  • 専門家は、ヒトの人獣共通感染症および食品由来アウトブレイクの報告数の顕著な減少には、欧州における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが影響を及ぼしたことを認識している。患者数の大幅な減少の背景にある要因として、健康を維持するための行動変容、旅行や行事の規制、飲食店の営業停止、隔離措置、都市封鎖、およびその他の対策(マスク着用、社会的距離の確保、手指の消毒など)が考えられる。
 EFSAは、食品由来アウトブレイクに関する2種類の双方向コミュニケーションツールとして、「食品由来アウトブレイクとその病因物質・原因食品に関する一般的な情報を提供するストーリーマップ」および「2015年以降に収集された食品由来アウトブレイクのデータを検索・照会できるダッシュボード」も公開した(以下Webページ参照)。
https://www.efsa.europa.eu/en/news/eu-one-health-report-drop-reported-zoonotic-diseases-humans-and-foodborne-outbreaks-2020
https://multimedia.efsa.europa.eu/fbo-storymaps/index.html(ストーリーマップ)
https://www.efsa.europa.eu/en/microstrategy/FBO-dashboard(ダッシュボード)



国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部