(食品安全情報2021年8号(2021/04/14)収載)
本マニュアルは、「欧州委員会(EC)指令2003/99/EC」および「施行に関する決定2013/652/EU」の枠組において、食料生産動物とそれに由来する食品中の抗微生物剤耐性を報告するためのガイダンスである。本ガイダンスの目的は、欧州連合(EU)加盟各国が提出する抗微生物剤耐性データの重要性および分析の容易性をEUレベルで確保するため、加盟国が行う報告方法の統一化および効率化を図ることである。報告されるデータおよびテキストの形式については詳細なガイドラインが示されている。本ガイダンスは主に、サルモネラ属菌、カンピロバクター(Campylobacter coli、C. jejuni)、および報告対象の動物群・食品カテゴリーなどに適用される。また、指標菌としての共生大腸菌、指標腸球菌(Enterococcus)、およびメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に関する報告についてもガイダンスが示されている。特に、統一化された通常モニタリングで得られるサルモネラ属菌および指標共生大腸菌の基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)/AmpC/カルバペネマーゼ産生株に関する報告義務データ、特別モニタリングで得られるESBL/AmpC/カルバペネマーゼ産生大腸菌株に関する報告義務データ、ならびにカルバペネマーゼ産生株に特化したモニタリングで得られる任意提出のデータの報告については、それぞれ具体的なガイダンスが示されている。本マニュアルは2020年のデータを報告するためのガイダンスとして作成された。