(食品安全情報2012年9号(2012/05/02)収載)
オーストラリアやその他の国で、家禽レバーを調理した加熱不十分のパテまたはパルフェなどによりカンピロバクター症アウトブレイクが発生している。
他の鶏肉と同様、レバーも細菌を死滅させるために完全に火を通す必要があり、表面を軽く焼くだけでは不十分である。最近オーストラリアで行われた生の鶏肉の調査によると、検査を行った検体の85%以上からカンピロバクターが検出された。ニュージーランドの調査でも、レバーなどの内臓肉は表面および内部が汚染されていることが多いことが示された。このため、家禽のレバーは、交差汚染の予防ができる方法で取り扱い、喫食前に完全に火を通すことが重要である。
家禽レバーのパテやこれに似た料理には様々な調理法がある。材料を混ぜてペーストにする前にレバーなどを炒める調理法もある。喫食前に再加熱しないことも多く、この場合は細菌を死滅させるために最初に完全に火を通す必要がある。
安全な内部温度(デジタル式温度計で70℃に達したことを確認してから少なくとも2分間)まで加熱されたレバーでも、中心部がややピンク色の場合もある。血が滲んでいたり、生に見える状態は適切でない。
パテを安全に調理するには、オーブンで焼くか蒸し焼きにすると(150℃以上で2時間まで加熱)、カンピロバクターが死滅する内部温度に達する可能性が高い。