欧州食品安全機関(EFSA)からのカンピロバクター関連情報
https://www.efsa.europa.eu/en


家禽肉の検査で対象となる生物学的ハザードのためのEU内統一の疫学指標に関する技術仕様書
Technical specifications on harmonised epidemiological indicators for biological hazards to be covered by meat inspection of poultry
EFSA Journal 2012;10(6):2764
Published: 29 June 2012, Approved: 08 June 2012
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/2764

(食品安全情報2012年14号(2012/07/11)収載)


 欧州食品安全機関(EFSA)は、本報告書において、食肉検査で対応可能な家禽・家禽肉関連の食品由来生物学的公衆衛生ハザードについてEU内統一の疫学指標の設定を提案している。これらのハザードには、サルモネラ属菌、カンピロバクター属菌、基質特異性拡張型/AmpC型βラクタマーゼ産生大腸菌、および生産工程の衛生指標としての一般大腸菌などが含まれる。疫学指標は、フードチェーンの特定の段階でのハザードの汚染率や濃度、またはハザードによって生じるヒト健康リスクと相関する間接測定値と定義される。この疫学指標は、欧州委員会(EC)および欧州連合(EU)加盟国が、食肉検査方法の変更が妥当であるかどうかを検討し、その決定を裏付けるためのリスク分析を行う際に利用できる。この指標は、EFSAが科学的意見として概要を紹介した家禽肉のための統合的な食品安全保証システムにおいて、ハザードや生産工程の衛生管理に関連するリスクに応じて飼育場/家禽群および食鳥処理場を分類する際、および適切な目標値を設定する際などに用いられることが予想される。リスク管理者は、使用目的や疫学的状況に応じ、国、地域、食鳥処理場、もしくは飼育場/家禽群ごとの最も適切な単独または複数の指標を選択する必要がある。リスク管理者は、飼育場の飼育環境およびフードチェーン情報(FCI)に関してEU内統一の必要条件を定めるべきである。また加盟国は、EC指令Directive 2003/99/ECに従い、指標の実施とそれにより得られるデータの報告の方法に関して研修会を開催することが求められる。今回提案した指標は、新しい情報および指標の実施により得られるデータを踏まえて定期的な見直しを行う必要がある。



国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部