ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)からのカンピロバクター関連情報
https://www.bfr.bund.de/


低年齢小児は味付けひき肉および生の豚ひき肉を喫食すべきではない
Seasoned minced meat and raw minced pork are not for little children!
12.03.2012
https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2012/11/seasoned_minced_meat_and_raw_minced_pork_are_not_for_little_children_-129197.html

(食品安全情報2012年7号(2012/04/04)収載)


 ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)は、特に感受性の高い集団に対し動物由来食品を生で喫食しないよう注意喚起している。これらの食品は病原体に汚染されていることが多い。

 ロベルト・コッホ研究所(RKI)が最近実施した調査の結果がドイツ疫学情報誌(Epidemiological Bulletin)に発表され、生の豚ひき肉がエルシニア症罹患の最も重要なリスク因子であることが示された。エルシニア症はエルシニア菌(Yersinia enterocolitica)が原因で発症する胃腸疾患である。エルシニア菌は主に食品、特に生の豚肉を介して拡散する。ドイツでは、豚ひき肉や味付けひき肉などはしばしば生で喫食される。今回の調査結果で予想外だったことの1つは、生の豚ひき肉を喫食したことのある小児が多数存在していた点である。1歳以下の小児のエルシニア症患者の約30%(対照群では4%)が生の豚ひき肉を喫食していた。

 現在、ドイツやその他の欧州諸国において、ヒトの腸管感染症の病原菌として最も高頻度に見られるのはカンピロバクターである。2011年には、70,000人以上のカンピロバクター症患者が報告された。カンピロバクター菌は、特に生または加熱不十分の家禽肉から検出されるが、その他の動物の生肉や、生乳および鶏卵からも検出される。

 サルモネラ症、特にSalmonella Enteritidisの報告患者数は、過去3年間に大幅に減少した。これは、欧州議会と欧州理事会によるサルモネラおよびその他の食品由来人獣共通感染病原体の制御に関するEC規則(Regulation (EC) No. 2160/2003、2003年11月17日制定)、および産卵鶏と鶏卵に関する規則に従って今まで実施されてきた家禽のサルモネラ管理プログラムが効果を上げ始めていることを示している。これに対し、S. Typhimuriumの患者数については今まで減少幅が小さかった。S. Typhimuriumは特に七面鳥肉や豚肉で高頻度に検出される。人獣共通感染症モニタリングの一環として、サルモネラ(多くの場合S. Typhimurium)が2009年にひき肉検体の5%で検出された。この結果は、生のひき肉がヒトのサルモネラ感染の感染源となり得ることを再確認させるものである。

 5歳未満の小児、妊婦、高齢者および免疫機能が低下している人など特に被害を受けやすい人は、これらのグループで重症化することが多い食品由来感染症から身を守るため、原則として生の食品の喫食を避けるべきである。生のひき肉・味付けひき肉、生ソーセージ、生乳・生乳チーズ、生魚(寿司など)、特定の魚製品(スモークサーモン、サーモンマリネなど)および生の海産物(生カキなど)は喫食すべきでない。



国立医薬品食品衛生研究所安全情報部