薬品部の概要および業績<平成17年>


概要
 医薬品の承認基準及び薬局方の国際調和の進展,薬事法改正,独立行政法人医薬品医療機器総合機構の設立等,医薬品行政の近年の変革は極めて著しい.薬品部には,それら国内外の変革に即応し得る活動,業務が常に求められる.そのような状況の中,国際的には,製剤開発,品質リスクマネジメント,品質システムに関するICHガイドラインの作成,薬局方製剤試験法の国際調和に参画,協力すると共に,国内的には改正薬事法下における医薬品の効率的,効果的な品質保証を目指し,医薬品の品質保証システム,高度分析技術を利用した製剤設計及び工程管理手法の構築,医薬品の物性と安定性に関する試験・研究等を実施した.また,平成11年度に開始したミレニアムプロジェクト(薬剤反応性遺伝子解析による疾病・創薬推進事業)に関連する研究も最終年度を迎え,薬物動態の解析作業を行った.また,後発医薬品の品質保証を目指し,経口製剤及び局所皮膚適用製剤の生物学的同等性試験ガイドラインの改正,溶出試験規格の作成及び検証を行った.今後は以上のような行政支援研究を継続的に発展させるとともに,一方,新しい機能性製剤の評価法開発研究等の展開も予定している.
 人事面では,青柳伸男部長が平成18年3月31日付けで定年退職され,4月1日付けで川西徹前生物薬品部長が就任した.青柳伸男氏は36年の長きにわたり,精励勤務し,数々の研究業績を挙げられ,当所の業務遂行と発展のために多大な貢献をされた.特に,医薬品の品質に関するレギュレーションにおいて指導的役割を果たし,ICH及び薬局方の国際調和の進展,厚生労働行政に貢献されるとともに,所の発展に尽くされてきたことに感謝の意を表するものである.また,平成17年9月30日に,藤巻康人氏の第三室の任期付き研究員としての任期が終了し,10月1日よりヒューマンサイエンス振興財団の流動研究員として採用され,更に平成18年4月1日より1年間,継続されることとなった.また,医薬品の品質保証の研究を推進するため,小嶋茂雄前薬品部長を8月1日から引き続き客員研究員として受け入れると共に,青柳伸男前薬品部長を平成18年4月1日より客員研究員として受け入れることとなった. 
 短期の海外出張については次のとおりである: 檜山室長はICH専門家会議(平成17年5月)に出席するため,ベルギーに出張した.伊豆津主任研究官は米国薬学会バイオ部門研究会(平成17年6月),コロラドタンパク質安定性会議(平成17年7月)で研究発表のため,米国に出張した.四方田室長は第119回AOAC年会(平成17年9月)で研究発表のため,米国に出張した.檜山室長は研究調査及び国際製薬技術協会国際GMP会議(平成17年9月)における特別講演のため,スウェーデン,チェコに出張した.香取主任研究官は第13回国際薬物動態学会(ISSX)北アメリカ大会/第20回日本薬物動態学会(ISSX)年会合同学会(平成17年10月)で研究発表のため,米国に出張した.檜山行雄室長,坂本知昭主任研究官はFDAへの訪問,FDA/米国薬学会の医薬品審査ワークショップ(平成17年10月)への参加のため,米国に出張した.檜山室長はICH専門家会議(平成17年11月)に出席のため,米国に出張した.吉岡室長,阿曽主任研究官,宮崎主任研究官は米国薬剤学年会(平成17年11月)で研究発表のため,米国に出張した.伊豆津主任研究官は,薬剤学・生物薬剤学・製材技術に関する世界会議(平成18年3月)で研究発表のため,スイスに出張した.小出主任研究官は共同研究(平成18年3月)のため,イギリスへ出張した.


業務成績
  1. 特別審査試験
     新薬5件について試験した
  2. 一斉取締試験
     ノルフロキサシン錠 13品目.
  3. 医療用医薬品の品質再評価に係る溶出試験規格の妥当性検証
     リン酸ジヒドロコデイン・dl-塩酸メチルエフェドリン・マレイン酸クロルフェニラミン錠,リン酸ジヒドロコデイン・dl-塩酸メチルエフェドリン・マレイン酸クロルフェニラミン散,オキシメテバノール錠,塩酸セレギリン錠の溶出試験規格の妥当性を検討し,修正案を提案した.
  4. 薬事法に基づく登録試験検査機関の外部精度管理
     薬事法施行規則に規定する厚生労働大臣の登録を受けた試験検査機関のうち,40機関につき,外部精度管理としてISO17025に準拠した医薬品分析の技能試験を実施した.
  5. 国立保健医療科学院特別課程薬事衛生管理コース(GMP研修コース)への協力
    檜山室長,坂本主任研究官及び小出主任研究官は,国立保健医療科学院からの委託を受け,当該コースの主任ならびに副主任として,医薬品製造所のGMP査察に当たっている薬事監視員の研修のためのコースの設計ならびに実際の運営に当たった(平成17年5月16日〜6月17日).
  6. 錠剤・カプセル状食品の原材料の規格及び試験方法の設定のガイドライン作成
     健康食品の原材料化合物について,規格及び試験方法の設定の促進を目的としたガイドラインを作成した.
  7. 国際協力
     国際厚生事業団(JICWELS)の第21回アジア諸国薬事行政官研修(平成17年11月)および第16回必須医薬品製造管理研修(平成17年11〜12月)に協力して,アジア諸国の薬事行政官ならびに医薬品製造管理者に対する研修を行った.
  8. その他
     薬事・食品衛生審議会の医薬品の承認審査ならびに再評価における審議(医薬食品局審査管理課,医薬品医療機器総合機構),日本薬局方,日本薬局方外医薬品規格,後発医薬品等の同等性試験ガイドライン作成作業,溶出試験規格作成,医薬品添加物規格および殺虫剤指針の改正作業(医薬食品局審査管理課)ならびに日本工業規格(JIS)の改正作業(経済産業省)などに協力した.
     地方衛生研究所が溶出試験の一斉取締り試験を行う際に使用する標準品14品目を用意し配布した.
     産官学の方が参加し,品質保証のあり方について討論する医薬品品質フォーラムに関しては,「科学とリスクマネジメントにもとづく品質保証 −製剤開発から市販後変更管理まで−」のテーマで第4回シンポジウムを開催した(平成17年7月20日).

研究業績

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