当部は第1室、第2室および第3室からなり、医薬品などの各種化学物質の有効性・安全性を明らかにすることを目的として、有機化学的手法を用いた、化学物質の分子構造と化学反応性に関する研究、および、有害物質の作用発現機構の解明に関する研究を行っています。
また、新医薬品および各種有用物質の開発を目的として、生理活性を有する新規化合物の合成と反応性に関する研究、構造活性相関に関する研究、および、最新の機器分析手法ならびに物理計算手法を用いた化合物の構造解析および反応性の解明に関する研究を行っています。
さらに、放射性医薬品の有効性、安全性、合成、構造及び組成に関する有機化学的試験及びその他の試験、検査、試験的製造及びこれらに必要な研究を行っています。
第一室
生活関連物質の有効性および安全性に関する有機化学的試験及びこれらに必要な研究を行っています。特に、生理活性を有する化合物の設計と合成,および医薬品の品質評価に関する研究を行っています。
- in silicoを活用した生理活性物質等の設計と合成
- 糖タンパク質の品質評価に資する新規糖鎖誘導体試薬の開発
- 医薬品原薬の連続生産に関する研究
- 日本薬局方の国際化に関する研究

第二室
生活関連物質の合成,構造及び組成に関する有機化学的試験及びこれらに必要な研究を行っています。特に、中分子ペプチド医薬品の開発効率化に資する下記の研究を行っています。
- 非天然アミノ酸を含有する中分子ペプチドの構造特性解析に関する研究
- 中分子ペプチドのタンパク質-タンパク質相互作用(PPI)阻害剤としての応用研究
- 中分子ペプチドのDDSキャリアとしての応用研究
- ペプチド薬物複合体(Peptide Drug Conjugate, PDC)の合成,構造,品質,生理活性評価に関する研究

第三室
放射性医薬品の品質・安全性確保に資する研究
放射性医薬品は放射性同位体を用いた医薬品です。放射線を疾患治療に利用する放射性医薬品あるいは治療(Therapy)と画像診断(Diagnostics)を行うセラノスティックス(Theranostics)があり、標的への輸送を担う薬剤と核種を組み合わせることで緻密な治療が可能になることが期待されています。放射性医薬品は優れた治療効果が期待できる一方で、有害な副作用を示す可能性があるため、その品質・安全性を正確に評価することが重要です。第3室では、放射性医薬品の製造過程における不純物評価など、品質・安全性の確保に向けた研究に取り組んでいます。

関連部門との共同研究
- 高度化・国際化に対応した日局データベースに関する研究
- 医薬品の品質確保のための日本薬局方改正に向けた試験法等開発
- 医薬品不純物の生成,残存,低減に関する研究
- 危険ドラッグ等の乱用薬物に関する分析情報の収集及び危害影響予測のための研究
- 化学合成による既存添加物の定量用標品の供給に関する研究
- 革新的医薬品等開発のための次世代安全性評価法の開発・標準化と基盤データ取得
- タンパク質分解医薬品の開発に資する有機化学的研究
- 容器包装等のポジティブリスト制度化に係る化学物質の毒性情報調査



