トップ > 研究組織 > 第2室

第2室の紹介

メンバー

役職 氏名
室長 中村 公亮
派遣研究員 石垣 拓実
卒研生 藤井 早希

 

研究内容

 遺伝子組換え食品は商業栽培開始から20年余が経過して新たな段階にある.除草剤(害虫・ウイルス抵抗性)耐性作物からビタミンA含量増加した栄養強化作物,乾燥地帯でも栽培できる環境耐性作物と進化して,近年,新育種法(NPBT, novel plant breeding technologies)と呼ばれる方法を用いて,精密に標的部位を改変することでこれまでにない形質(赤身肉量増加など)を持った農作物が開発されている.多様性を増す遺伝子組換え農作物について,安全性に関する調査研究を行うとともに,安全性の確認できない遺伝子組換え食品の国内流通を阻止するための公定検査法開発,それらに必要な遺伝子配列の解析,及び諸外国における遺伝子組換え体開発状況や規制に関連する情報収集等を行う.

(1)  安全性承認済遺伝子組換え食品の検知法確立と標準化に関する研究

日本国内において,食品としての安全性が確認された遺伝子組換え作物は国内流通が可能になる.安全性承認済遺伝子組換え食品を使用した場合,あるいは,分別流通管理をしていない不分別の場合は表示義務がある(食品表示法—へリンク).一方で,適切な分別流通管理を行って非遺伝子組換え作物を用いた場合には表示義務はないが,任意表示(「遺伝子組換えではない」等)が可能である.この時,5%までの意図しない混入が認められていることから.表示検証のために定量検査が実施される.近年では,異なる系統の遺伝子組換え(GM)作物を掛け合わせたスタック品種の開発が急速に進んでいる.これらは一粒中に特性の異なる複数のGM系統由来のDNA配列を含んでいる.スタック品種が混入した試料では,従来のリアルタイムPCRによる系統特異的定量法を用いた場合,混入率が実際の値より高く見積もられる可能性がある.そのため,スクリーニング検査で陽性となった場合には,粒検査またはグループテスティング法を用いて正確に定量する必要がある.必要な定量検査法開発とそれに必要な調査研究を行う.(資料

*通知検査法は消費者庁ホームページに掲載されている

 

(2)  安全性未承認遺伝子組換え食品の監視対策に関する研究

海外では多くの遺伝子組換え作物が開発されている.近年では、魚など動物への応用も進んでいる.しかしながら,海外で開発承認されたものが全て日本国内で承認されることはなく,また,研究開発段階などで安全性が確認されていない遺伝子組換え体が稀に拡散する可能性もある.諸外国で開発されている遺伝子組換え農作物の開発状況等を調査して,安全性未承認遺伝子組換え体が国内に流通しないように監視するための検知法開発を行う.(これまでに開発した検知法 資料

*公定検査法は厚労省ホームページに掲載されている(遺伝子組換え食品一般についてー検査法についてー

 

(3)  遺伝子組換え食品検査の外部精度管理

安全性未承認遺伝子組換え食品が,国内で流通しないように監視するためには検疫所等水際でのモニタリング検査の他,国内での実態調査も重要である.そのためには,各都道府県地方衛生研究所等が適切に検査を実施できているかの検証は不可欠である.安全性未承認遺伝子組換え食品検査法を用いて,毎年外部精度管理試験を実施している.

(4)  新たな検査手法開発のための基礎的研究

遺伝子組換え農作物の開発には,高度なバイオテクノロジー技術が用いられる.これまでに,除草剤耐性や害虫抵抗性(改変タンパクを発現),ウイルス抵抗性の作物が作出されてきた.その他に,特定遺伝子の発現を抑制させるために遺伝子サイレンシングのための配列(逆向き繰返し配列)を導入したもの(打撲黒変防止やアクリルアミド生成抑制作物)も登場してきた.近年,新育種法(NPBT)などのゲノム編集技術を利用した,その改変の程度が小さい(つまり,遺伝子導入することなく新たな形質を獲得させた)作物の開発がされている.このような新しいタイプの作物について,新しい検出手法や原理の開発,検出の可能性についても検討を行う.(資料)

▲このページのトップへ