この概要は、各医薬品製剤の禁忌、枠組み警告、警告、使用上の注意、副作用の箇所の表示変更を含む。簡易版には医薬品名と変更箇所のリスト、また詳細版には変更になった項目とその小見出しおよび禁忌または警告の、新規または更新された安全性情報が掲載されている。 「OTC薬 [‘Prilosec’]の本日の承認は、セルフメディケーションのために安全で効果的な治療法を利用しやすくするFDAの重要な役割の一例である。他の多くのスイッチOTC薬のように、[‘Prilosec OTC’]が購入可能となったことで、コストが削減され何百万人の米国人に治療の選択肢を広げることになるだろう」と、Mark B. McClellan長官は述べた。 最近市販された2種類の胸やけ治療用のOTC薬である制酸剤と胃酸抑制剤とは異なり [‘Prilosec OTC’]は 週に2日以上起こる胸やけの治療に適応を持ち、胃での酸産生を阻止する。処方用[‘Prilosec’]は、頻発する胸やけや他のもっと重篤で医師の治療が必要な関連疾患に、最近広く処方されている。長い間OTC薬として市販されている制酸剤や胃酸抑制剤は、急性の胸やけ症状の緩和に用いられる。また胃酸抑制剤は、食事による胸やけの予防にも用いられる。 American College of Gastroenterologyによると6,000万人以上の米国人が少なくとも月に1度胸やけを起こし、また幾つかの研究は毎日1,500万人の米国人が胸やけを起こしていると示唆している。胸やけは、酸を含む胃の内容物が胃から食道に逆流するとき、胸部や咽喉に灼熱感を起こして発生する。 [‘Prilosec OTC’]はdelayed-release 20mg錠で、14日間続けて、1日1回食前に服用しなければならない。同剤は完全な効果を得るのに1- 4日要するが、中には24時間以内に症状が完全に消失する場合もある。 [‘Prilosec OTC’]は、週に1度かそれ以下の低い頻度で起きる胸やけや、緊急の措置を必要とする胸やけを対象としていない。同薬で14日間の服用後すぐに胸やけが頻発するようであれば、消費者は医療サービス提供者に相談するべきである。消費者は医師に相談なく、頻発する胸やけのために4ヶ月の間隔を置かずに14日間服用を繰り返すべきでない。 FDAは、2つの臨床試験を含むさまざまな研究結果に基づいて[‘Prilosec OTC’]を承認した。この2つの臨床試験は、[‘Prilosec OTC’]で24時間以上胸やけが発現しない患者の割合が増加し、1- 14日の間に同薬の効果が上がっていくことを示した。 [‘Prilosec OTC’]の副作用は多くはないが、頭痛、下痢、便秘、胃不調、嘔吐、胃痛、咳嗽、感冒症状、浮動性めまい、発疹の症状が発生する可能性がある。 1989年にFDAに承認された処方用[‘Prilosec’](omeprazole)は、胃食道逆流性疾患(GERD)、食道炎、潰瘍のような医師による診断および監視を必要とする疾患の治療用に販売されている。 FDAは[‘Paxil’]による大うつ病の治療で、自殺念慮や自殺企画のリスクが増加するという報告を評価中であるが、児童期および青年期の大うつ病に[‘Paxil’]を用いないよう勧告した。 最近、[‘Paxil’]は児童期、青年期の大うつ病に有効であるというエビデンスは得られておらず、児童期および青年期に適応はない。 米国で[‘Paxil’]は、成人の脅迫症状(OCD)、大うつ病(MDD)、パニック障害、社会不安障害(SAD)、一般的な不安障害、外傷後ストレス障害等に適応がある。[‘Paxil’]が、成人で自殺念慮の危険性増大に関係しているとのエビデンスはない。 MDDの小児患者での三つの比較試験において、[‘Paxil’]がプラセボより効果があるという結果は示されなかった。同試験データにより、UK当局は自傷や自殺行動の割合が増加するとの判断から、2003年6月10日に、同剤を18才未満のうつ病に用いるべきでないとプレス発表した。 またFDAは、 [‘Paxil’]を服用中の小児患者は服用を中止する際に医師に相談し、突然服用を中止することがないよう注意を喚起した。 取り上げられた医薬品: 一般名[‘商品名’] Budesonide [‘Pulmicort’], Fentanyl [‘Duragesic’], Fexofenadine [‘Allegra’], Fluticasone [‘Flonase’], Fosinopril [‘Monopril’], Oxybutynin [‘Ditropan’], Temozolomide [‘Temodar’], Topotecan [‘Hycamtin’], Venlafaxine [‘Effexor’], <改訂された警告欄> 感染:[‘Enbrel’]服用による死亡例を含む重篤な感染症および敗血症が市販後調査で報告された。基礎疾患があり、免疫抑制療法との併用を行っている患者に重篤な感染症が多数起こっている。[‘Enbrel’]等の腫瘍壊死因子(TNF)拮抗剤で治療を受けている患者に、まれにではあるが結核が認められた例もある。[‘Enbrel’]による治療中に新しい感染症が進行した患者については注意深く観察を続ける必要がある。患者が重篤な感染症もしくは敗血症に進行した場合は[‘Enbrel’]の投与を中止すべきである。慢性もしくは局所性感染症等の活動期にある患者には[‘Enbrel’]による治療を開始すべきではない。感染症の再発歴のある患者や、進行したまたはコントロール不十分な糖尿病のような感染症にかかりやすい基礎疾患のある患者に対して、医師は慎重に[‘Enbrel’]を使用しなければならない。 <その他の警告> 神経系の事象:[‘Enbrel’]やその他のTNF拮抗剤による治療は、まれに中枢神経系の脱髄疾患の発生、もしくは悪化させることがあり、精神状態の変化を伴ったケースや不可逆的な障害に関連したケースがみられた。横断性脊髄炎, 視神経炎, 多発性硬化症, 発作性疾患の発症もしくは悪化のケースが[‘Enbrel’]による治療に関連して観察された。 [‘Enbrel’]との因果関係は明らかになっていない。多発性硬化症の患者に対する[‘Enbrel’]治療評価に関する臨床試験はまだ行われていないが、多発性硬化症の患者に投与された他のTNF拮抗剤は疾患の進行に関連性がみられた1,2)。処方医は中枢神経系の多発性硬化症の既往歴のある患者に対して[‘Enbrel’]を慎重に使用すべきである。 血液に関する事象:[‘Enbrel’]により治療している患者でまれに再生不良性貧血等の汎血球減少症が起こることがあり、死亡するケースもある。[‘Enbrel’]治療との因果関係は未だ明らかになっていない。ハイリスクグループの特定はされていないが、以前に、重大な血液異常を示した患者の[‘Enbrel’]治療には十分に注意を払う必要がある。患者には[‘Enbrel’]投与中に血液疾患もしくは感染症を示唆する症状が現れた場合、すぐに受診するようアドバイスすべきである(例、持続的な発熱、挫傷, 出血, 蒼白)。血液異常が確認された患者については[‘Enbrel’]投与の中止を考えるべきである。[‘Enbrel’]とanakinraの併用患者の2 %に好中球減少症が発症(絶対好中球計数(ANC) < 1 x 109/L)。好中球減少症のほかに蜂巣炎を発症した例があったが、抗生剤で治癒した。 文 献 1)Van Oosten BW, Barkhof F, Truyen L, et al. Increased MRI activity and immune activation in two multiple sclerosis patients treated with the monoclonal anti-tumor necrosis factor antibody cA2. Neurology 1996;47: 1531. 2)Arnason BGW, et al. (Lenercept Multiple Sclerosis Study Group). TNF neutralization in MS: Results of a randomized, placebo-controlled multicenter study. Neurology 1999;53:457. FDAはBPC法の下、小児用に使われる特別な医薬品の市販後の安全性問題について審議した。 BPC法が2002年1月4日調印された。このBPC法により、小児用に適応が認められた日より1年間、小児診療局は、小児用に使われる薬の全ての副作用調査を特別に要請される。この調査は、FDAがMedWatchシステムを通して全上市薬に対して行っている日常業務の市販後調査活動に加えられた。FDAは当該医薬品の評価について小児科諮問分科委員会と公に審議することによって、BPC法の要求を履行する予定である。 BPC法の下、小児の安全性、有効性、適切な用量評価のために臨床試験が要求され、それに基づき試験が行われたsertraline、oxybutynin、atorvastatin、simvastatin の4医薬品について、本日報告があった。 FDAは詳細な報告sertraline とoxybutyninと、予備的な報告atorvastatin とsimvastatinを小児科諮問分科委員会の会議で行った。この報告は、これらの医薬品のリスク−ベネフィットのプロファイルの評価を積極的に続けること以外、安全性に関して当局がなすべきことを明らかにはしていない。市場で広範に使われることにより、安全性が疑われる事例が集積され、そして新しい安全性情報が評価され、患者や両親、医師に提供されることが重要である。 BPC法により、FDAが要請した小児臨床試験を行った製薬会社に対しての規約(市場競争からの広範な保護)が更新された。さらに、BPC法により、FDAはこれらの製品が小児用市場に普及が見込まれる間は、その製品の安全性に関する特別な監視を続けるように決められている。 FDAの医薬品安全情報
小児に使用される医薬品の表示変更
FDA/CDERによる安全性に関する表示変更の概要(2003年1月)
[‘Prilosec OTC’](omeprazole)を頻発する胸やけの治療にOTC薬としてFDAが承認
抗うつ剤[‘Paxil’](paroxetine hydrochloride)の小児への使用に関するFDAの見解
小児臨床試験の医学的および臨床薬理学的評価の概要
添付文書の改訂:Etanercept とAnakinraの併用療法に関する情報
重篤な感染症を起こした割合が、[‘Enbrel’]単独投与群が0%であるのに対し、[‘Enbrel’]とanakinraを24週間同時投与した群では7%であった。[‘Enbrel’]とanakinraの併用投与の方が、[‘Enbrel’]単独投与に比べて、米国リウマチ学会議(American College of Rheumatology、ACR)規定による反応率がより高いという結果は得られなかった。
米FDA、BPC法(Best Pharmaceuticals for Children Act)の下、小児用医薬品の安全性について諮問分科委員会と審議