生活衛生化学部 ホルムアルデヒド・アセトアルデヒド妥当性評価SOP

ホルムアルデヒド・アセトアルデヒド 妥当性評価SOP

誘導体化-LC/UVおよび誘導体化-LC/MS(/MS)による分析法(別表19の2および別表19の3)

1. 試薬

  • (1) 精製水
    • 測定対象成分を含まないもの
  • (2) アセトニトリル
    • 測定対象成分を含まないもの
  • (3) 1%(w/v)塩化アンモニウム溶液
    • 塩化アンモニウム1.0 gを精製水に溶かして100 mLとしたもの
  • (4) 20%(v/v)リン酸
    • リン酸 20 mLを精製水に溶かして100 mLとしたもの
  • (5) 0.1%(w/v)2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)溶液
    • DNPH(和光純薬工業製 試薬特級,純度約50%) 0.2 gをアセトニトリルに溶かして100 mLとしたもの.この溶液は褐色瓶に入れて冷暗所に保存する.
  • (6) ホルムアルデヒド標準液(1000 mg/L)
    • 和光純薬工業製 水質試験用(メーカーコード063-04511,1 mLアンプル入りメタノール溶液)
  • (7) アセトアルデヒド標準液(1000 mg/L)
    • 和光純薬工業製 水質試験用(メーカーコード015-23011,1 mLアンプル入りメタノール溶液)
  • (8) アルデヒド混合標準液A(各10 mg/L)
    • ホルムアルデヒド標準液およびアセトアルデヒド標準液のそれぞれ100 μLを10 mLメスフラスコに採り,アセトニトリルを加えて定容したもの.この溶液は使用の都度調製する.
  • (9) アルデヒド混合標準液B(各1 mg/L)
    • アルデヒド混合標準液Aの1 mLを10 mLメスフラスコに採り,アセトニトリルを加えて定容したもの.この溶液は使用の都度調製する.

2. アルデヒド添加試料の調製

  • (1) ガラス瓶に水道水を採取する.
  • (2) 水道水100 mLに対して1%塩化アンモニウム溶液0.5 mLを加えてよく撹拌し,脱塩素処理を行う.
  • (3) 以下の操作により,各物質濃度①0.008 mg/L(ホルムアルデヒドの基準値の1/10)および②0.08 mg/L(ホルムアルデヒドの基準値)の添加試料を調製する.
    • ①各物質濃度0.008 mg/Lの添加試料:アルデヒド混合標準液Bの800 μLを100 mLメスフラスコに採り,脱塩素処理をした水道水で定容する.
    • ②各物質濃度0.08 mg/Lの添加試料:アルデヒド混合標準液Aの800 μLを100 mLメスフラスコに採り,脱塩素処理をした水道水で定容する.

3. 前処理

  • (1) アルデヒド添加試料①(0.008 mg/L),アルデヒド添加試料②(0.08 mg/L),空試験用試料(アルデヒド未添加の脱塩素処理をした水道水)のそれぞれ10 mLを試験管に採り,20%リン酸200 μLおよび0.1%DNPH溶液500 μLを加えて混合する.
  • (2) 室温で20分間静置後,これを試験溶液とする.
  • ※各試料は5回試験を行い,試験結果を報告書に記載する.

4. 測定

  • (1) 前処理操作で得られた試験溶液の一定量をHPLC/UVあるいはLC/MS(/MS)に注入する(測定条件は表1あるいは表2を参照).
  • (2) UVあるいはMS(/MS)により検出される各物質のピークの保持時間が標準物質と一致することを確認し,ピーク面積を求める.
  • (3) (2)で求めた各物質のピーク面積から空試験のピーク面積を差し引いた後,下記「5. 検量線の作成」の操作で得られた検量線を用いて検査試料水中の各物質濃度を求める.

表1. HPLC/UV測定条件の例

機器 項目 設定値
HPLC 
    
分離カラム  TSK-Gel ODS 80T or 120T(4.6 × 250 mm,5 μm,東ソー)
Inertsil ODS-3(4.6 × 250 mm,5 μm,ジーエルサイエンス)
カラム温度 40~60℃ 
移動相 精製水:アセトニトリル=50:50
移動相流量 1.0 mL/min 
注入量 50~100 μL
UV 測定波長 360~370 nm 

表2. LC/MS(/MS)測定条件の例

機器 項目 設定値
HPLC 
    
分離カラム  X Bridge C18(2.1 × 150 mm,3.5 μm,日本ウォーターズ)
Shim-Pak FC-ODS(2.0 × 150 mm,3 μm,島津製作所)
カラム温度 30~40°C
移動相 精製水:アセトニトリル=50:50
移動相流量 0.2 mL/min 
注入量 1~20 μL
MS(/MS) イオン化法 ESI法(負イオン測定モード)
モニターイオン (m/z) ホルムアルデヒド-DNPH誘導体:209 > 163, 209 > 151
アセトアルデヒド-DNPH誘導体:223 > 163, 223 > 151

5. 検量線の作成

  • (1) 以下の操作により,検量線標準液(STD1~STD5)を調製する.
    • ●STD1 (0.005 mg/L) :アルデヒド混合標準液Bの500 μLを100 mLメスフラスコに採り,精製水を加えて定容する.
    • ●STD2 (0.01 mg/L) :アルデヒド混合標準液Bの1000 μLを100 mLメスフラスコに採り,精製水を加えて定容する.
    • ●STD3 (0.02 mg/L) :アルデヒド混合標準液Aの200 μLを100 mLメスフラスコに採り,精製水を加えて定容する.
    • ●STD4 (0.05 mg/L) :アルデヒド混合標準液Aの500 μLを100 mLメスフラスコに採り,精製水を加えて定容する.
    • ●STD5 (0.1 mg/L) :アルデヒド混合標準液Aの1000 μLを100 mLメスフラスコに採り,精製水を加えて定容する.
  • (2) 検量線標準液のブランク(STD0)として,精製水をガラス製容器に採取する.
  • (3) 上記(1)および(2)で調製した検量線標準液を,「3. 前処理」および「4. 測定」の操作によって操作し,各物質の検量線を作成する.
  • ※検量線標準液は繰り返し測定(n=3~5)を行い,各濃度の再現性 (RSD)および検量線の直線性を確認する.

関連情報

  • 小林憲弘,久保田領志,菱木麻佑,小杉有希,鈴木俊也,五十嵐良明:LC/MS/MSを用いた水道水中ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの同時分析.第24回環境化学討論会(2015.6.24 北海道札幌市).
  • 小林憲弘,久保田領志,菱木麻佑,小杉有希,鈴木俊也,五十嵐良明:LC/UVおよびLC/MS/MSによる水道水中ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドの同時分析法の検討.日本水道協会 平成27年度全国会議(水道研究発表会)(2015.10.21 埼玉県さいたま市).
  • 小林憲弘,鈴木俊也,小杉有希,菱木麻佑,加登優樹,金田智,植田紘行,河相暢幸,北本靖子,土屋かおり,木村慎一,古川浩司,岩間紀知,中村弘揮,粕谷智浩,堀池秀樹,京野完,髙原玲華,馬場紀幸,佐藤信武,久保田領志,五十嵐良明:液体クロマトグラフィーによる水道水中のホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド同時分析法の開発と妥当性評価.水環境学会誌,投稿中.