安全性生物試験研究センターの沿革


   1960年代から我々の生活環境に次々と導入されてきた化学物質(サリドマイド、砒素、メチル水銀、PCB等)の毒性による健康への影響が社会的に注目され始め、その行政的要求に対処するため1978年に安全性生物試験研究センター(安全センターと略称されている)が、国立衛生試験所(現、国立医薬品食品衛生研究所)内の新しい一つの機構として設立された。

   その使命は、その名前が明白に物語るように生物(動物、細胞など)を用いた安全性に関する研究及び試験を行うことで、具体的には医薬品、化粧品、食品、食品添加物、農薬、工業薬品、家庭用品などの生活関連化学物質の安全性評価である。従って厚生労働省の医薬局 や食品保険部とは特に密接な関係にある。現在、安全センターは4部、1省令室(毒性部、薬理部、病理部、変異遺伝部、総合評価研究室)からなり、当センター職員による研究・業務の結果は、 日本分子生物学会日本トキシコロジー学会日本癌学会日本環境変異原学会日本病理学会、日本毒性病理学会、日本実験動物学会日本発生生物学会日本薬理学会日本動物実験代替法学会日本疾患モデル学会等に活発に発表しており、同時に海外、国内の多くの専門誌に寄稿している。

   安全センターの専門家は、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の他に、農林水産省、通商産業省、環境庁、科学技術庁等の各種委員会委員を務め、国としての安全性評価に多大な貢献を続けている。さらに国際的に多くの機関・機構( WHOFAOOECDIARCIPCSICHなど)の安全性評価に関わるプロジェクトにも参加している。1991年開始のICH(医薬品規制国際ハーモナイゼーション)においては、欧米の専門家と共に各種毒性試験ガイドラインの作成に携わってきている。1999年には、厚生省・環境庁による新しいダイオキシン耐容一日摂取量(TDI)の設定に際し、多くの毒性データの評価に貢献した。

   1981年以来、米国環境科学研究所(NIEHS、ケン・オルデン所長)と安全センター(黒川雄二センター長)は日米科学技術協力協定により密接な関係をもち、専門家の相互派遣による意見交換とともに、特に日米間で重要な毒性学的諸問題についての会議の場を米国において4回設けた。さらに、生命科学分野(非エネルギー計画)の毒性学関連プロジェクトにおいては、毎年安全センターの専門家数名が、緊急を要する化学物質の安全性評価に関する意見交換・情報収集のために米国の関連する研究所・大学等を訪問してきた。他の研究協力関係にある研究所・大学として、海外ではNational Cancer InstituteAmerican Health FoundationStanford Research InstituteFinnish Institute of Occupational Healthなど、国内では国立がんセンター癌研究所放射線医学研究所東京都老人医学研究所などが上げられる。

   


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