経済産業・厚生労働省はiPS細胞を使った再生医療の実用化に向けて、製造に用いる医療機器や施設の安全基準を今年秋までに作成する。6月中旬に医療機器メーカーの実務者や学識経験者らを集め、官民で基準策定のための委員会を設置する。民間の知見を集めて基準をつくり、成長分野と位置付ける再生医療への企業の進出を後押しする。
政府は24日、再生医療の承認制度などを定めた薬事法改正案と再生医療安全性確保法案を閣議決定し、国会に提出した。これを受けて経産省や厚労省は、iPS細胞の培養に必要な機器や施設の具体的な安全基準の策定に着手する。
従来は細胞の培養容器や輸送法に至るまで基準が未整備だった。6月中旬に官民で立ち上げる「再生医療等基準検討委員会」(仮称)の傘下に専門家を集め、個別分野ごとに基準をつくる。同委員会は30人程度の組織となる見通しだ。
企業を巻き込んで基準をつくれば先端的な医薬品の開発が円滑に進む可能性がある一方、各企業の開発状況には違いがあるため、基準づくりが難航する可能性もある。
(日経新聞 2013/5/26より引用)