バイオベンチャーのリプロセル(横浜市)は様々な細胞に変化できるiPS細胞から作るヒト臓器細胞の生産量を、2年後をめどに最大で10倍に増やす。試薬として製薬会社などに販売している心筋細胞、神経細胞などが好調で、今後も受注増が見込める。生産技術に熟練した専任スタッフを現在の2人から4人に増やすことで対応する。
現在の設備では3~5週間の培養で、1000回分の試験用の細胞が作れる。これを2年後をめどに生産能力を5~10倍に拡大する計画だ。製造エリアも拡張して生産能力を高める。
同社は製薬会社や大学に向けて、ヒトiPS細胞から作った心筋細胞を2009年に、神経細胞を10年に発売した。今年に入ってからは、肝臓細胞やアルツハイマー病と同じ特徴を示す神経細胞も発売している。
製薬会社は医薬品を作るために、動物細胞などを使って医薬候補となる化合物の効果や安全性を確認している。動物細胞の代わりにiPS細胞由来のヒト臓器細胞を使えば、効果や毒性がより正確にわかる。医薬の開発期間を短くすることにつながるという。
(日経新聞 2012/8/12より引用)