米バイオ企業のアドバンスド・セル・テクノロジー社は23日、あらゆる細胞に変化できるES細胞(胚性幹細胞)から作った網膜細胞を、ものがほとんど見えない患者2人に移植して視力を回復させることに成功したと発表した。
英医学誌ランセットに掲載された。ES細胞を使った治療で効果が論文として報告されたのは初めて。
その結果、70歳代女性はそれまで手の動きしか識別できなかったが、移植の1週間後には指の本数を数えられるようになった。50歳代女性も識別できる文字の数が増えたという。手術から4か月が経過した時点でも、移植した細胞の異常増殖など、安全上の問題は見られないという。同社は、さらに多くの患者で安全性と有効性を確認する。
(読売新聞 2012/1/24より引用)