肝硬変の患者から骨髄液を採取し、含まれている細胞を増殖させたうえで患者自身に点滴で戻す臨床研究を、山口大学の坂井田功教授らのチームが計画している。
骨髄液の細胞が肝臓へ移動して正常な肝細胞に変化することで、症状の改善が期待できる。3年以内の開始を目指す。
肝硬変はウイルス感染などで発症し、肝臓が本来の機能を失う。国内の患者は40万~50万人に達する。
研究チームは2003年に、肝硬変患者から約400ミリ・リットルの骨髄液を採取して点滴する臨床研究を開始。これまで19人に実施し、15人の肝機能の改善や悪化抑制が確認された。骨や脂肪などの細胞に変化できる骨髄液中の「間葉系幹細胞」が肝細胞に変化したり元々あった肝細胞を刺激したりして、正常な肝細胞が増えた結果とみられる。
(読売新聞 2012/1/19より引用)