京都大の山中伸弥教授は19日、再生医療用につくったさまざまな人工多能性幹細胞(iPS細胞)を保管し、必要な患者に提供する「iPS細胞バンク」を来年度に始める方針を明らかにした。朝日新聞などのインタビューで答えた。まずは一般の人からiPS細胞のもとになる皮膚の提供を受け、2013年度にもiPS細胞の提供を始めるという。
iPS細胞はさまざまな組織の細胞に変えることができるが、作製には時間がかかる。そこで、献血のように、健康な人から提供された皮膚からiPS細胞をつくって増やし、冷凍して保管しておく。事故で脊椎(せきつい)を損傷し、緊急な移植が必要な患者にも素早く対応できるよう、あらかじめ準備しておくという構想だ。
現在、皮膚の提供者の募り方などを厚生労働省などと詰めているという。山中教授は「来年は非常に重要な1年。臨床研究に向けてバンクを軌道に乗せたい」と話した。
(朝日新聞 2011/12/20より引用)