京都大は24日、さまざまな臓器や組織の細胞になることができる人工多能性幹細胞(iPS細胞)について、米国で作製方法に関する2例目の特許が成立したと発表した。iPS細胞の作製だけでなく、iPS細胞の販売など使用方法まで広範囲に権利が欧米で認められたのは、今回が初。
今回認められたのは、4つの遺伝子をウイルスを使って皮膚などの体細胞に注入し、iPS細胞を作製する技術。前回米国で成立した特許と比べ、作製方法について遺伝子とウイルスの種類が限定されたが、権利はiPS細胞の作製だけにとどまらず、iPS細胞から臓器や組織の細胞を作る行為と、iPS細胞の販売行為にまで及ぶ。これまで欧米で認められた特許の範囲は作製までだった。
会見したiPS細胞研究所の高須直子・知財契約管理室長は「創薬研究が盛んな米国でiPS細胞の使用方法まで権利が認められた意義は大きい」と話した。
権利期間は京大が国際出願した平成18(2006)年12月6日から20年間。米国特許商標庁の審査を経て8月12日付で特許成立の決定が通知され、11月15日付で登録された。
山中伸弥教授の話「病態解明や薬の探索研究が、より一層進展すると期待できる」
(産経新聞 2011/11/24より引用)