理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の高橋政代チームリーダーは十九日、京都市で開かれた再生医療のシンポジウムで講演し、人工多能性幹細胞(iPS細胞)からつくった網膜の細胞を使い、加齢黄斑変性という目の病気を治療する臨床研究を来年度、厚生労働省に申請する計画を明らかにした。
研究開始は二〇一三年度を予定。実現すれば、iPS細胞を人間の治療に使う世界初の研究となる可能性がある。
当初は加齢黄斑変性の中でも、老化に伴って本来ないはずの血管ができて目の奥にある網膜の色素上皮が傷み、視力が低下するタイプが対象。血管を取り除く通常の手術と同時に、患者自身の皮膚から作ったiPS細胞を成長させた網膜色素上皮細胞を数ミリ角のシート状にしたものを置く。
(東京新聞 2011/11/21より引用)