さまざまな組織になりうるiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って、難病発症の解明や治療薬の開発をめざそうと、文部科学省は来年度から全国で五つの拠点を整備する。
研究機関と病院を連携させて、基礎研究の成果を速やかに治療につなげようという狙いだ。
神経や心臓の病気ごとに、文科省所管の大学などの研究機関と、厚生労働省が所管する医療機関が連携した拠点をつくる。アルツハイマー病や拡張型心筋症などが考えられる。
公募で全国に5拠点ほど選び、5年計画で1拠点につき年間約2億円の予算を計上する予定だ。
iPS細胞は皮膚などの細胞からつくることができる。このため事故や病気で失った組織や臓器を患者の皮膚細胞などからつくって再生させる研究が進められている。また、難病患者からつくったiPS細胞を使って、病気のしくみを解明したり、薬の成分への反応を見て治療薬の開発に生かしたりする研究も盛んだ。
(読売新聞 2011/9/27より引用)