京都市は20日、医療分野の先端研究を支援する制度を創設すると発表した。京都大など市内にある大学の研究者や、市内の中小・ベンチャー企業が対象で、8月に募集を始める。新型万能細胞(iPS細胞)などの研究で先行する京大と連携し、医療分野に強みを持つベンチャーなどを育成する狙い。
新たに始める「京都発革新的医療技術研究開発助成事業」では、医療機器や医薬品の開発につながる技術の研究を支援する。短期的には事業化が難しいとみられる基礎研究も支援の対象に含めるという。
医学・工学・薬学の専門家などで構成する審査委員会が対象を選定。初年度は1件当たり100万円を上限に、15件程度の研究を補助する。
京都市は昨年に「医工薬産学公連携支援オフィス」を設け、医療分野の研究開発をする企業に対して大学の研究者を紹介する事業を手掛けている。19日には同オフィスを、京大が6月に開設した「先端医療機器開発・臨床研究センター」内に移転し、京大の研究者との連携を取りやすくした。(日経新聞 2011/7/29より引用)