ヒトやマウスのiPS(人工多能性幹)細胞を作る効率を50倍以上、高めることに、米ミネソタ大の桔梗(ききょう)伸明准教授らが成功した。筋肉の細胞を作る遺伝子の一部を使った。米専門誌ステムセルズに6日発表した。
桔梗さんらは、iPS細胞作製に必要な遺伝子(Oct3/4)の配列に、筋肉の細胞を作る時に働く「MyoD」という遺伝子の一部をくっつけて、皮膚の細胞に組みこんだ。従来、約2週間かかった作製日数が5日に短縮されたほか、ヒトのiPS細胞の作製効率が約0.3%と、従来法の50倍にアップした。
MyoDは、皮膚の細胞を筋肉の細胞に変化させることもできる。多数の遺伝子を働かせる強力な「親玉」のような遺伝子だ。
(読売新聞 2011/7/6より引用)