京都大再生医科学研究所の中辻憲夫教授らが作製したヒト胚性幹細胞(ES細胞)を米カリフォルニア大アーバイン校に無償提供する計画が20日、文部科学省の研究専門委員会で承認された。
国内で作られたヒトES細胞を海外に分配するのは、2007年の指針改正以来初めて。
文科省によると、海外への分配は京大とカリフォルニア大との共同研究の一環で、神経系の細胞に分化させるという。ES細胞の臨床応用は厚生労働省などで検討中で、今回は基礎研究用として提供される。使用期限は13年10月まで。
ES細胞は、受精卵から取り出した細胞を培養して作られ、血液や神経、内臓など全身のあらゆる組織になる可能性があるが、受精卵を破壊する倫理的課題などから日本では研究が進んでいない。
(読売新聞 2011/4/21より引用)