CAPSULE(副作用情報)
エルゴタミンによる急性間質性腎炎と腎梗塞
The Informed Prescriber(正しい治療と薬の情報) 2001.02
48歳のヘビースモーカーの女性が,片頭痛に対して,10年前からエルゴタミン坐薬(6〜12mg/day)を使用していたが,発熱と疲労感,前胸部痛,下肢の痛み及び上肢の脱力を訴えて受診した.著明な発汗と顔面紅潮を認め,血圧は240〜130mmHgであった.両側とも脛骨動脈,足背動脈の脈拍を触れず,両側足首の浮腫を認めた.血清クレアチニンは5mg/dlで,血沈115mm/hr,WBC 15400/mm3,尿蛋白は100mg/dlで,尿沈渣に多数の赤血球を認めた.腎エコーで右腎下極に欠損があり,シンチグラムで両側腎機能の低下を示した.血管造影で腎動脈の狭窄を認め,腎生検では間質に炎症性のリンパ球浸潤が認められた.高血圧に対してアムロジピン,ビソプロロール,イソダパミド,プラゾシン投与を行った後,頭痛は軽減した.血清クレアチニンもエルゴタミンを中止して20日後に3.3mg/dlに下がり,6週間のメチルプレドニゾロン投与の後,正常化した.正確な機序は不明であるが,エルゴタミン常用による間質の長期にわたる虚血が大きく関与した可能性が高い.
van Doorn KJ et al. Nephrol. Dialysis Transplantation 15 : 4877, 2000
医薬品・治療研究会編