CAPSULE(副作用情報)
風疹ウイルス生ワクチンによる播種性脳脊髄炎
The Informed Prescriber(正しい治療と薬の情報) 2001.01
14才の男児が,風疹ウイルス生ワクチンの投与を受け,16日後に発熱と後頭部痛を来した.その後の8日間に,筋力低下が起こり,歩行困難を訴え,四肢の弛緩性マヒで入院した.体温は38.4℃で,レルミッテ徴候を示し,後頭部痛・項部硬直を認めた.脊髄液は,白血球34/mm3,リンパ球が100%で,髄鞘塩基性蛋白レベルが17.6ng/ml(Normal<4)と上昇していた.頭部および頸髄のMRIで,急性播種性脳脊髄炎と診断し,プレドニゾロンによる治療を開始したが,翌日,四肢の弛緩性マヒは増強した.メチルプレドニゾロンの大量投与を開始し,まもなく解熱して神経学的症状も著明に改善した.ステロイド治療を開始して5日後,介助なしで坐ることができた.5日間のメチルプレドニゾロンの治療の後,中止して,プレドニゾロンの経口投与を続けた.5日後,介助なしで歩くことができ,さらに2日後,脊髄液の検査も正常となり,1週間後に退院した.プレドニゾロンを漸減し,入院してから11カ月後にプレドニゾロンを中止した.本症例は,風疹ウイルス生ワクチン投与が,免疫学的機序を介して中枢神経系の脱髄を惹き起こし得ることを示している.
Tsuru T et al. Brain & Development 22 : 259, 2000
医薬品・治療研究会編