国際化学物質安全性カード(ICSC)日本語版について

ICSCの説明に関しては、「ICSCについて」をご参照下さい。


ICSCの各国語への翻訳

 ICSCは、化学物質を扱う労働者など化学や毒性の専門家でない人々を対象に作成されていることから、世界各国で利用されるためには、それぞれの国の言語への翻訳が非常に重要です。IPCSは、世界各国でのICSCの利用をはかるために、積極的に各国語への翻訳を支援しています。現在、日本語、フランス語、スペイン語、ロシア語、フィンランド語、ポーランド語、ハンガリー語、スワヒリ語、中国語、韓国語、タイ語など20ヶ国以上の言語に翻訳されています。

 わが国ではIPCSの日本担当機関(PI)である国立医薬品食品衛生研究所が、ICSC英語原案の作成に携わると同時に、IPCSの許可を得て日本語に翻訳しています。ICSC日本語版の著作権は国立医薬品食品衛生研究所にあります。

ICSCとMSDSの違い

 ICSCの記載項目は、順番は異なりますが、MSDSの16項目をほぼカバーしています。また作成のために必要な情報源(資料)や作成手順にも共通点が多くMSDS作成の際に参考になる部分が多々あります。一方、ICSCとMSDSは作成者(国際機関と企業)や法的立場等が異なります。また、ICSCは人への影響を中心に記載していますので、記載される毒性情報はMSDSより範囲がしぼられています。
 MSDSは製品やさまざまな濃度の溶液についても作成されますが、ICSCはほとんどの場合、純品について作成されています(例外的に、工業用のグレードのものや溶液について作成されることがあります)。

ICSCの作成及び翻訳におけるパソコンの利用

 ICSCを作成する上での最大の特徴は、標準語句の設定、および標準語句の選択基準を定めたコンパイラーズガイドです。これは作成者によって文章やデータ選択基準がマチマチになるのを防ぎ、できるだけICSC全体を整合性のとれたものにするためです。標準語句の使用により、「整合性のある語句や表現」の他に、「パソコンを利用して作成できる」、「英語から他言語へ翻訳しやすい」、といった利点もあります。

 カードの原案(英語)作成においては、ICSC用に開発されたWindowsソフトを用いていますが、このソフトを用いると原案作成だけでなく、英語のICSCからフランス語、スペイン語、ドイツ語、フィンランド語などのアルファベット言語に自動翻訳できます。非アルファベット言語である日本語への翻訳の場合は、国立医薬品食品衛生研究所安全情報部が開発したICSC用変換ソフトを用いて、日本語標準語句への自動変換及びWeb画面用のHTMLファイルへの自動書換えを行っています。

利用者の皆さまへのお願い

 ICSCの作成過程では最終検討会議を含め数段階のチェックを経るシステムになっています。しかしそれでもデータや国連番号等に時々誤りがみられます。

 ICSC原文の誤りの場合は、IPCSに連絡し、協議した結果に基づいてWWWの日本語版に「訳注」などを入れて訂正しています。英語原文はICSCの更新時に訂正されることになっています。IPCSではICSCをできるだけ信頼性の高いものにしていくために、ユーザーからの指摘やコメントを歓迎しています。

 日本語翻訳時あるいはHTMLファイルへの書換え時に生じた誤りについては私共のミスですので、WWW上で即訂正しています。

 本ページをご利用になって誤りなどにお気づきになりましたら、下記までご連絡ください。


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